極め方
腕拉ぎ十字固めでは相手の片腕を両手で抱え、相手の腕の付け根を太腿の内側で絞めます。ポイントとしては下記が挙げられます。
・抱えた相手の手の親指が上を向くようにする。
→相手の親指が上を向いている場合、エスケープ方向は足で押さえている。親指が相手の頭や足側に向いていると、相手が腕を曲げてエスケープしやすい。
・相手の肩に自分の臀部が接するくらいの距離から、相手の腕を自分の太腿内側で挟む。
→自分の臀部が相手の肩から離れていると、相手の肩を下から支えにくくなり、極めにくい。
フロー
下の動画では横四方固めやキムラロックから腕十字固めを掛ける流れがまとめられています。横四方固めとパスガードの違いは、横四方固めでは膝を曲げて相手の体側を抑え、パスガードでは膝を伸ばし気味にして体重を乗せることにあります。
横四方固めからの腕十字は覚えやすいので、初心者の方にもおすすめです。一方キムラロックからの腕十字は手順が増え覚えにくいですが、早い段階でキムラロックを取ることでエスケープされにくくなります。
エスケープ
下の動画では「クラッチが組めている時」と「クラッチが切れた時」と「腕を伸ばされた時」の腕拉ぎ十字固めのエスケープ方法がまとめられています。
クラッチが組めている時のエスケープでは相手の足を自分の足で挟んでスイープの動きをしています。相手が足を交差している場合や膝を立てている場合はこの方法は適用できませんが、一般的な腕拉ぎ十字固めには適用可能なエスケープ方法になります。
クラッチが切れた時のエスケープでは取られた腕を頭方向に向け、肩抜き後転をしてエスケープします。手順がシンプルで初心者の方にもおすすめの方法になります。ただし、始めに腕を頭方向に向ける際、相手の引き込む力が強いと失敗する恐れがあります。
腕を伸ばされた時のエスケープでは、取られた腕が腰の横に来るように足で移動し、相手の足を自分の頭の上の方にずらすことでエスケープします。この方法も手順がシンプルです。
相手が膝を立てている場合、足で移動しにくくなると思います。ただし、相手の足を自分の頭の上の方にずらす動きはやりやすくなると思います。
試合
下の動画はノーギの試合ですが、約10秒で所英男選手が腕拉ぎ十字固めを極め、KO勝ちになりました。
始めに右手で相手の左腕を掴み、左手で相手の右ひざ裏を取りに行きます。刈り込みを警戒した相手が右足を下げ、空いた空間に所選手が両足を入れ、腕拉ぎ十字固めが極まりました。
エスケープする間も与えぬ早業です。